fc2ブログ

Entry Navi - Archives

 2016年11月 

職業(その6) 

今日は一日気持ちのいい晴れ間が広がりました。
風もなくまさに外出日和、買い物をしようとショッピングセンターに向かう途中、ちょうど地元の大学が学祭をやっていたのでフラリと立ち寄ってみたのです。

派手さもチャラさもない
もとい、
真面目な中にとてもすがすがしい若さと一生懸命さのあふれるアットホームな学祭でした。
若いっていいなあ。

さて、本日は土曜恒例「いぬじが〇〇だったら」の日です。
職業図鑑の上から順に毎週違う仕事をいぬじにやらせていく、いわゆる『もしもシリーズ』です。
先月から始めたこの企画、そろそろなじんできましたでしょうか。

11月最初の今回の職業は、
「板前」です。
なんとなく結末が予測できそうな感じですが、
とりあえずいってみましょー。


昭和の雰囲気の残る小さな街で、30年以上前から地元の人に愛されている寿司店、「くま寿司」。
店を開いた先代の大将の名前が熊五郎だったところからついたそうですが、この隠れた名店にいぬじが板前として修業に入って今年で3年目になります。
まだお客さんのお寿司を握らせてはもらえませんが、玉子や煮物は作らせてもらえるようになりました。また、板前さんたちの賄いも、週3回はいぬじの仕事です。
先日初めて作ってみた賄いごはん、「いぬじのまぐれ魚介スパゲティ」はなかなか好評でした。
…え? ええ、「きまぐれ魚介スパ」ではなく、「まぐれ魚介スパ」です。
お寿司屋さんだからと言って賄いまで和食でなくても全然かまわないのです。「うまけりゃいい」と認めてくれる気のいい大将と、そんな大将をで~んと尻に敷いているきっぷのいい女将さんに可愛がられ、いぬじは今日も元気に鍋を洗っています。

そんなある日のこと。
ランチタイムにOLさん3人組がやってきました。
くま寿司のランチメニューは海鮮丼または五目ちらしで、どちらもイクラが入って800円と大変リーズナブル。ボリュームもあり、若い男性サラリーマンにも大人気です。
お昼のいぬじの仕事はもっぱら丼の盛り付けで、ピーク時には注文を取ったり席まで運んだりもします。
小さい体でちょこちょこどんぶりを運ぶ姿は女性客ウケがよく、「いぬじく~ん、こっちの注文もおねがいしま~す」と常連客に名前を呼ばれることもあります。呼ばれたから行ったのに「海鮮丼ね、あ、でもどうしよ、急にちらしも食べたくなってきた、やっぱりちらし…いや、でもやっぱり海鮮丼、あー」と、普通の人ならイライラするようなお客さんにもいぬじは全然腹が立たないので、言われた通りに伝票に書いては線を引っ張って消し書いては消し、とやって大変汚くなった伝票を見た大将に「何て書いてあんのかわかんねーよ!」と怒鳴られてしょぼんとしたりもしますが、それでも1分後にはケロリとまた線を引っ張っています。

さてさて、OL3人組に話を戻しましょう。
こちらの3人、1人は以前来たことがあるようですが、あとの2人は「へえ~こんな店あったんだね~」と言っています。
そこへいぬじが注文を取りに行きました。
「あ、私海鮮丼」
「じゃあ私はちらしで」
「えーと、こないだ海鮮丼は食べたんだよねー、どうしよっかなー、
そうだ!あのー、ちらしのご飯の上に海鮮丼の具を乗せてもらったりとかできます?」
突然予想外に長い注文が飛び出したので、ビビりないぬじは固まってしまいました。
「…いや、それは無理でしょ」
と他の2人がドン引きして彼女をたしなめようとした瞬間、
「きいてきます!」
といぬじはスタタタタとカウンターに戻りました。
そして、トテテテテと足早に席に帰ってくると、
「そいつはちとできねえそうです!」
と元気に答えました。
「…あ、そう、そうですか」
さっきまでちょっと横柄な感じだった3人目の女性も、なんだか毒気を抜かれたような顔をして、
「じゃあ海鮮丼で」
と普通に注文してくれました。
「でもぼくもたべたいです!」
といぬじがまた元気に付け足すと、
「そうよね、食べたいよね!」
と3人一斉に笑いました。

1週間後。
お店の外の黒板に、こんな文字が書かれていました。
『新メニュー!!海鮮五目ちらし丼 1200円』
五目ちらしのすし飯混ぜご飯の上に、海鮮丼の具が乗った贅沢な一品です。
少々高いですが、お客さんの8割がこれを頼むという大人気商品になりました。
めでたしめでたし。



私も食べてみたいです。
海鮮五目ちらし丼。
にほんブログ村 犬ブログ 犬猫 多頭飼いへ

スポンサーサイト