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 2017年02月 

職業(その21) 

今日は2月一番の陽気になりました。
せっかくなのでいぬじと五豆を連れて長めの散歩に出ました。
さすがに五豆は帰ってすぐ寝るだろうと思っていましたが、
まだあと3㎞は歩けそうなくらい元気でした。

さて、今日は土曜恒例連続企画、「いぬじが〇〇だったら」の日です。
職業図鑑の上から順に毎週違う仕事をいぬじにやらせていくという、いわゆる『もしもシリーズ』です。
今日の職業は、『靴職人』です。
「犬の靴屋さん」ってなんだか西洋の物語に出てきそうな感じもしますが、いぬじバージョンだとどうなるでしょうか。
それではいってみましょー。


いぬじがオーダーメイドの小さな靴屋さんで働き始めて丸3年。
元々40代の職人さん一人でやっていた革靴専門のお店でしたが、3年前いぬじがかーちゃんとお店の前を通った時、かーちゃんがショーウィンドウを眺めて「ええなあ」と呟いたのを聞き、翌日いぬじ自ら「おもてのくつがつくりたいです」と弟子入り志願をしたのです。
「うちにそんな余裕はないよ」と一度は断られたのですが、「ずっといっかげつ3まんえんでいいです」といぬじが本気で申し出たため、さすがにそれならと雇ってもらいました。
ちなみに自分と姉弟たちの食費と医療費とおやつ代とおもちゃ代で、残ったお金はいぬじのお小遣いです。

店主の佐々木さんは、最初の頃はいぬじが全く役に立たないので本当に一か月3万円だけ渡していました。
最低賃金とかいう話ですらないのですが、いぬじが高い革素材の匂いに釣られて何度もかじってしまったため、給料から差し引くしかしょうがなかったのです。
しかしそれをきっかけに、天然ゴムのレインシューズを作ってみようかという話になり、半年後、めでたく商品としてお店に出せるようになりました。そちらは色や柄だけのセミオーダーも始めたところ着実に評判を呼び、いぬじも頑張って仕事を覚えたおかげで無事お給料もどんどん上がっていきました。

3年経った今、まだいぬじひとりでフルオーダーの靴を完成させることはできませんが、バレエタイプのレインシューズなら作れるようになりました。
春も間近に迫ったある日の午後、30代くらいの女性がお店にやってきました。
いぬじがドアの外を見ると、一頭のゴールデンレトリーバーがつながれています。
「すいません、靴を作っていただきたいんですが」
「はい、どのような靴をご希望でしょう」
「…あの、私のじゃなくて、あの子のなんです」
と、外のゴールデンを指差したのです。
「あの、あの子はアーサーって言うんですけど、春になると、散歩中に足の裏が真っ赤っかになるんです。病院に行ったら、春に生える雑草の中にアレルギー反応の出る種類があるんでしょうって…。市販の犬用シューズを買って履かせてみたんですが、そしたらなんていうか、歩き方が、ロボットみたいで、全然まともに歩けなくて」
「ぼくもそうだよ」
いぬじも以前シューズをかーちゃんに履かされ、しかし全く歩けず5分で諦めさせた経験があるので、アーサーの気持ちがとてもよくわかったのです。飼い主さんはいぬじの手を取って、
「やっぱりうちの子だけじゃないわよね」
「うん」
と意気投合しました。
「それで、こちらでアーサーの足にぴったりのシューズを作っていただけないかと思って…。ここでワンちゃんが働いてるって聞いて、それなら犬用シューズも作ってもらえるんじゃないかって」
「そうでしたか、それはわざわざありがとうございました。 …ただ、申し訳ないんですがうちではワンちゃん用の靴は作っていないんです」
「…そうですか…」
「ぼくがつくるよ」
「えっ」「えっ」
佐々木さんはお客さんと同時に驚いていぬじを見ましたが、少し考えた後、
「うん、わかった、作ってごらん」
「うん」
佐々木さんはお客さんとアーサーを交互に見て、言いました。
「すみませんが私は他のオーダーが入っているのですぐには動けない状態です。彼ならきっとに春までに間に合わせられると思います。それでいかがでしょうか」
「ありがとうございます!!」
いぬじは礼も聞き終わらないうちに足型を採りにドアの外へ出ました。
アーサーはお利口に4本の足を順番に出して、
「おねがいね」
といぬじに頼みました。

半月後、無事アーサーの靴が完成しました。
履いた初日から元気に散歩に行くアーサーの姿がありました。
めでたしめでたし。



こんな飼い主孝行の犬がいればいいなあという
私の願望が強く入った回でした。
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