fc2ブログ

Entry Navi - Archives

 2017年04月 

職業(その28) 

今日は朝が曇りで、
午後一から大雨で、
2時頃から晴れでした。
お天道様に何か気に入らないことでもあったんでしょうか。

さて、今日は土曜ですので恒例企画、「いぬじが〇〇だったら」の日です。
職業図鑑の上から順に毎週違う仕事をいぬじにやらせていくという、いわゆる『もしもシリーズ』です。
今日の職業は、『コンビニ店員』です。

これまではずっと正職員でしたが、今回は初めてアルバイトです。
まあいぬじにとっては差はないんですが。
さて、身近なお店でどんな働きぶりを見せるでしょうか。
ではいってみましょー。


いぬじがコンビニでアルバイトを始めて3か月。
ようやくほぼ全ての仕事を覚え、先輩スタッフにいちいち尋ねることもほとんどなくなりました。
ただ、たまにしか使われないサービスが鬼門です。一度教わっただけではその名前すら忘れてしまうこともあります。
先日は「ファックスの使い方がわからない」と言われて「ダックスのかいかたはいっぱいはしらせてあげるといいとおもいます」と答えてしまいました。

もう一つ、これはスタッフ全員が少々苦手とする仕事があります。
それは、年齢確認です。
タバコや酒類を販売する時に、タッチパネルでボタンを押してもらうアレです。
どう見たって成人であるお客さんにまで押してもらわなければならないので、頼むときには皆気を遣うのです。
ほとんどのお客さんは問題なく押してくれますが、やはり中には未だにクレームをつける人もいます。スタッフは「申し訳ありません、決まりになっておりますので」と丁寧にお願いするのですが、それでもなかなか押してくれない人もいました。
幸いいぬじはこれまでそういう人には一度も会わなかったのですが、今日、とうとう、来てしまったのです。

その時、レジにいたのはいぬじだけでした。
そこへ、60代くらいの男性のお客さんがスポーツ新聞をぽんっと置いて、
「マイセン」
と言いました。
「はいいらっしゃいませ」
「だからマイセン」
「はいなんでしょう」
いぬじは「すいません」と言われたと思ったのです。
「…あーそうか、もうマイセンじゃねえのか、ええと、なんつったか、いつも近所のばーさんの店行くからな、顔で買えるんだよ」
「かおからおかねがでるんですか」
「そうじゃねえよ、ばーさんが顔で種類覚えてんだよ」
「ぼくはかおでしゅるいがたぬきっていわれます」
「お前タヌキじゃねえのかよ、って、そんなことはどうでもいいんだよ、ああ、もう、その、左から2つめのやつ」
「めびうすですか」
「あーそうそう、それそれ、それひとつ」
「まいせんってとんかつやさんですか」
「知らねえよ」
いぬじは「まいせん」の秘密を知りたいなと思いながら、レジを打ちました。
「そちらの『はい』のぼたんをおねがいします」
「は?」
「あの、そのたっちぱねるの『はい』のところをおしてください」
「なんだよそりゃ、…『20歳以上ですか』、だ?
 当たり前だろ、どこをどう見たって俺は20歳以上だろうが」
「おしてもらわないといけないのです」
「誰だよそんなもん決めたの」
「ええと、たぶん、えらいひとです」
「チッ、あーめんどくせーな、お前だって20歳以上だろうがよ」
「ぼく10さいです」
「はあ?なんでそんな子どもが働いてんだよ」
「ぼくおとなです」
「ああ、お前、たぬ…いや犬か、犬ならしゃーねーな。そういやお前らいつから大人なんだよ」
「かーちゃんは1さいでおとなっていってました」
「おい、1歳で大人かよ、はえーな」
「にんげんのとしにするとぼくはもうかんれきくらいだっていってました」
「なんだよ、俺と変わんねえじゃねえかよ、それでコンビニで働いてんのか」
「ぼくこのしごとすきです」
「そうか、まあ、なんだ、悪かったな。これ押しゃいいのか、ほらよ」
実は事務所の扉の裏で出ようか出まいか迷っていた先輩スタッフは、おじさんの機嫌が治ったのを確認してから「いらっしゃいませー」と元気よく顔を出しました。
「ありがとうございました」
「また来るわ」

1週間後、また同じおじさんが来て、
「マイセン」
と言いましたが、いぬじはすっかり忘れて「はいなんでしょう」と答えました。
おじさんは「お互いさんか」とニヤリとしながら、いぬじに言われる前に『はい』のボタンを押しました。

おわり。




『マイセン』は『マイルドセブン』の略称です。
学生時代にコンビニでバイトしていたのですが、
タバコ発注担当の男の子が「色々置いてみよう」と
かなりマイナーな種類まで増やしたので、
自分は全く吸わないのに当時は随分銘柄に詳しくなりました。
あと、まい泉の黒豚 ヒレかつ膳が食べてみたいです。
にほんブログ村 犬ブログ 犬猫 多頭飼いへ

スポンサーサイト