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 2017年04月 

職業(その30) 

いよいよゴールデンウィークが始まりましたね。
1日と2日に休みをとれば9連休になる今年、
我が家は、
普通の土日と、5連休です。
ちなみに3日しか予定は入っていません。

さて、そんな今日土曜日は恒例の「いぬじが〇〇だったら」の日です。
職業図鑑の上から順に毎週違う仕事をいぬじにやらせていくという、いわゆる『もしもシリーズ』です。
記念すべき30回目の今日の職業は、『飼育員』です。

飼育する方じゃなくてされる方だろ、
という至極もっともなツッコミ、
今回はどうか飲み込んでいただいてぬるい目でお読みいただければ幸いです。
ではどうぞー。


いぬじがとある動物園で働き始めて早2年。
決して大きくはありませんが、入園料無料で地元の人に愛されて続けている憩いの場です。

いぬじは体が小さいため、出来る仕事や担当できる動物の種類が限られているものの、動物の言葉がわかるという他の人にはない大きな長所があるので、スタッフの皆に重宝がられています。
ちなみに、園長には「タヌキとキツネの担当にはしないから大丈夫」と言われています。
溶け込み過ぎるからです。

さて、そんないぬじが今担当しているのはヒツジとヤギです。
大型肉食動物はもちろんのこと、猛禽エリアでもイタチと間違われ本気の捕食モードにさせてしまったため、これからも草食動物専門ということが決まっています。但し、大型の草食動物は食べ物やフンが重過ぎて運べないので、こちらも担当にはさせてもらえないのです。
動物と喋れなければ、だいぶ役に立たぬじです。

話を戻しましょう。
とある週末の朝。天気も良く、絶好の動物園日和となりました。
健康チェックに餌やり、展示スペースへの移動を済ませるとちょうど開園時間となり、待ちかねたようにお客さんが続々と入ってきました。
いぬじがヤギ舎の掃除を始めると、
「いぬじー、ちょっと来てくれー」と先輩スタッフの大沢さんが駆け込んできました。
「どうしましたか」
「タンタンの様子がどうもおかしいんだ」
タンタンというのはリャマ(ラマ)です。この動物園にはオスメス1頭ずつのリゃマがいて、タンタンはオスの方の名前です。メスはポンポンです。
「開園前のチェックでは普通だったんだけど、さっき近づいたらいきなり唾(つば)引っかけられたんだ。今までそんなこと一度もしなかったのに驚いてさ」
リャマはラクダの仲間ですが、これらの種類は機嫌が悪いと大変くさい唾を引っかけてくるのです。しかし大沢さんはタンタンに信頼されているので、これまで決してそんなことはしませんでした。
「はなしをきいてみます」
「頼んだぞ」

落ち着いて話を聞くためいぬじだけでリャマ舎に行くと、タンタンは振り向きざまにいきなり唾をぶっかけてきました。幸いお客さんは近くにいなかったため、いぬじが全身汚れただけで済みました。
いぬじは人間のようにくさいとは感じないので、タオルで頭を拭きながら「どうしたの」と声を掛けました。
「なんだ、いぬじか、悪かったな」
「ううん、だいじょうぶ」
「それ、人間はすっげえくさいらしいから、後でちゃんと洗っとけよ」
「うん、わかった」
「大沢さんがお前を呼んだのか」
「うん、よばれたよ」
「何て言ってた」
「いきなりつばかけられたって、びっくりしてたよ」
「まあ、初めてかけたしな」
「どうしてかけたの」
「…まあ、そういう気分の時もあるんだよ」
「ぼくもよくどんさんおこらせちゃうからわかるよ」
ドンさんというのはヤギのリーダーです。ヒツジさえもまとめているので、怒らせると全員ヤギ舎に素直に戻ってくれなくなり、大変厄介なのです。
いぬじはこういう時、ねえちゃんがいてくれればいいのになあと思います。
ねえちゃんはヒツジを追うのが仕事の犬なので、きっと上手にまとめてくれると思うからです。
実際は全然出来ないのです。

「…いや、大沢さんが悪いわけじゃないんだ」
「どんさんはいつもぼくがおこらせるけど、おおさわさんはおこらせたりしないものね」
「うん、大沢さんはお前とは違うしな」
「じゃあどうしてかけたの」
「…実は、お客さんがな」
「なにかいわれたの」
「まあ、いつものことなんだけどさ。でもせっかくいい天気の日の最初の一言がそれだったんだもんで、なんだか今日は無性に腹が立って、八つ当たりしちゃったんだよ」
「どんなひとことだったの」
「若い女の人がさ、『あ~アルパカだ~♪…って、なーんだ違うじゃん、リャマ?だって、知らなーい』ってよ」
タンタンは声色を変えて、お客さんのモノマネをして見せました。
「にてるものね、あるぱかさんに」
「知らないんだよ、俺はさ。アルパカ見たことねえもん。で、なんでアルパカじゃないとがっかりされるんだ、って言いたいわけよ」
「ぽんぽんはなんていってるの」
「あいつはまあ、俺より小さいしちょっと毛が長いし『リャマも可愛いね~』って言われてるから大丈夫だよ」
「ぼくも『なんだ、たぬきじゃなかったのか』っていわれるとちょっとふくざつだよ」
「だろ?似てるからって差別は良くねえよなあ」
「わかった、ぼくおおさわさんにそうだんする」
「うん。大沢さん、なんとかしてくれるかなあ」

その日の午後。
リャマの柵に取り付けられている説明書きの隣に、新しい案内板が付きました。
大沢さん(38歳・176㎝78kg・独身)の手書きで急きょ作られたその案内板には、

【ラクダ界の隠れたイケメン?? あなたはこの魅力に気づけるか?!
アルパカが癒しのモフカワ系なら、リャマは意外と細マッチョ系?
たまに見せる笑顔のギャップが超キュート♡♡】

とカラフルな文字と絵で書かれていました。
その後、お客さんのインスタへの写真投稿をきっかけに、タンタンに「イッセイ君」とあだ名が付いて、ポンポン共に人気者になりましたとさ。
めでたしめでたし。



「一生」と書く最近人気の俳優さんです。
私は10年以上前からいい役者さんだなと思ってました。
別に何の自慢にもならないですが。
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