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 2017年05月 

職業(その33) 

今日は旦那が友達と出掛けていて留守でした。
私は「一日好きなことができる」と楽しみでした。

が、
異常なほどに眠くて眠くて、
ほとんど寝てしまいました。
あーあ。

さて、そんな今日は土曜恒例「いぬじが〇〇だったら」の日です。
職業図鑑の上から順に毎週違う仕事をいぬじにやらせていくという、いわゆる『もしもシリーズ』です。
今日の職業は、『スーツアクター』です。

要するに、着ぐるみに入る人です。
いや、入る犬です。

ではどうぞー。


いぬじがスーツアクターとして働き始めて丸一年。
大変な仕事ですが、お客さんが自分を見て皆笑顔になってくれるのでやりがいを感じています。
実際は半分吹き出しているのですが、いぬじには全部同じ笑顔に見えるのでいいのです。

さて、現在いぬじが入っている、もとい成り切っているキャラクターは、とある日本映画に出てくるロボット犬です。ヒロインのペット的存在で、小さいながらも要所要所でヒロインや主人公を助ける、大変優秀な護衛犬の役柄です。
実際の映画では技術を駆使したフルCGで作られていますが、試写会や宣伝イベントなどのために着ぐるみが用意されたのです。
この着ぐるみがあつらえたようにいぬじにピッタリで、オーディションなしで合格。喋る必要もなく、ただ俳優さんにトコトコついて回るだけでお金がもらえ、その上皆に可愛がってもらえるという、なんとも羨ましい仕事です。
俳優さん達のサインをもらったかーちゃんもご機嫌です。

さて、そんなある日のこと。
いぬじはヒロインである凛子という若手女優の楽屋に呼ばれました。彼女は映画同様、いぬじを大変可愛がってくれています。いぬじは楽屋の扉をノック、ではなく前足でちょいちょいとこすりました。
「りんこさん、ぼくだよ」
「いぬじ君、どうぞ」
いぬじが楽屋に入ると、そこには元気のない凛子がいました。
「どうしたの」
「ええ、ちょっと疲れちゃって。いぬじ君の顔が見たくなったの」
普通の男性なら飛び上がって喜びそうなセリフでしたが、いぬじは机の上に用意されたお菓子の方に目が釘付けでした。
「ふふふ、好きなの食べていいよ」
「わーい」
とお菓子に手を伸ばそうとしたいぬじは、机の脇に、綺麗な包装紙に包まれた小さい箱が置いてあることに気付きました。
「これなあに」
「多分、ファンからのプレゼントだと思うんだけど、気づいたらそこにあったの」
「あける?」
「ううん、何か変だし、誰が置いたかわからないからマネージャーに連絡するね」
「わかった」
凛子がマネージャーに電話すると、数分後に彼が息を切らしてやってきました。
「ハァ、ハァ、大丈夫か」
「どうしたの、そんなに慌てて」
「よ、よかった」
実は、数週間前から、凛子の事務所にストーカーまがいの手紙や荷物が届いていたのです。幸い危険はありませんでしたが、事務所は凛子に見せる前に全て処分していました。
「ハァ、ハァ、この箱は、僕が外で開けてくるから」
「気を付けてね」
「ちょっとまって」
「どうした、いぬじ」
「ぼくあけるよ」
「えっ、いや、それは危険だよ」
「ううん、ぼくあけたい」
「…わかった、そこまで言うなら」
本当は開けたくなかったマネージャーは、これ幸いと箱をいぬじに預け、離れたところから見守ることにしました。
映画の中のロボット犬さながら、ヒロインを守るためにいぬじ自ら名乗り出たのだと、凛子もマネージャーも感激したのです。

いぬじが建物の裏手の誰も来ない場所に箱を置き、
テープをはがしてふたを開けると、
ピンっという音がして、
とんでもない悪臭、
いえ、いぬじのとってはこの上なくおいしそうな匂いが辺りを漂う始めました。
「おーーいいぬじーーー、何が入ってたー??」
「かんづめだよーーー」
「はぁ?缶詰ぇ??」
「あけちゃったからいただきまーーーす」
マネージャーが一体何なんだと近づいてくると、
「うわっ、くさっ、くさっ、何だこの臭さ、うえぇ、だ、駄目だ」
「おいしいよ」
「こ、これもしかして、噂に聞くシュールなんとかか」
「あかいかんづめだよ、おいしいよ」
それは、世界一臭いと言われるシュールストレミングの缶でした。
箱のふたを開けると、缶詰にセットされていた金具が外れて缶のフタが開く仕組みになっていました。金具は缶のフタに少しだけ穴を開けて付けられていたため、上からビニールで包まれていたものの、人間にはわからないくらいほんのわずかに臭いが漏れていたのです。
しかし、いぬじの鼻はごまかせませんでした。
そして、絶対美味しい物が入っていると思ったいぬじは、自分から箱を開けることを申し出たのでした。

その後、
いぬじは凛子の事務所にも気に入られ、事務所に所属することになりました。
人間では入れないような小さな着ぐるみに入る仕事の他、犬役としての仕事も舞い込むようになりましたとさ。

めでたしめでたし。




あんまり着ぐるみ関係ありませんでした。
すいません。
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