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 2017年07月 

職業(その39) 

今日は、
朝豪雨、
午前中雨、
昼前から曇り、
午後やや晴れ、
そして湿度90%、
という大変過ごしにくーーーーい一日でした。

ああやだなあこの湿度。
これから秋までこうなんだろうなあ。
ああ本当にやだなあ。

とぼやいていてもしょうがないので、土曜恒例「いぬじが〇〇だったら」にいってみましょう。
職業図鑑の上から順に毎週違う仕事をいぬじにやらせていくという、いわゆる『もしもシリーズ』です。
今日の職業は、『電気屋さん』です。

別に電気を売っているわけではないのですが、
電気屋さん。
いいじゃないか、よびなだもの。
それではどうぞー。


いぬじが町の電気屋さんで働き始めて丸一年。
家電のちょっとした修理や電球の交換などの小さい仕事も進んで受けている、地元の人を大切にしてきたお店です。
店長の菅井さんは64歳。息子さんがいますが、お店を継がなかったのでこの代で閉めることが決まっています。いぬじはそれが寂しいのですが、自分は継げないことがわかっているので、今できる仕事を精一杯頑張っています。
主に電球交換と、その際に一緒に頼まれた電灯の傘の掃除ですが。

その日も、あるお客さんから「ちょっと来てほしい」と電話がありました。
お客さんはヨシエさんというおばあちゃんです。お店から歩いて20分ほどの家で一人暮らしをしています。ヨシエさんの家の電化製品はほとんど菅井さんの店で買ったというくらいの大得意さんなのです。
すぐに菅井さんといぬじが駆けつけると、「これ、直るかね」と犬のぬいぐるみのようなおもちゃを差し出されました。
「孫のねえ、おもちゃなんだけど、動かなくなっちゃって」
「お孫さん、結ちゃんでしたっけ」
「そう、よく嫁が預けに来てくれるんだけど、このおもちゃがお気に入りでねえ。本当は歩いてワンワン鳴くんだけど、急にうんともすんとも言わなくなっちゃったもんで、電池を変えてみたんだけどね。でも駄目で、わーわー泣かれて大変だったよ」
「ちょっと中を見てみますね」
菅井さんはおもちゃを受け取って、外側の布を剥がし始めました。
「わっ、びっくりした」
「ハハハ、いぬじは犬だからな、驚くのも無理ないか」
「うん、ぼくはぬげないよ」
「ぬげたらそっちの方がびっくりだ」
そうして完全に中のプラスチックが見える状態にして、ネジを外し内部のコードの状態をチェックし始めました。
「うわあ、なかはそんなふうになってるんだね」
「ああ、単純ではあるけどなかなかうまくできてるよ」
「ぼくのなかもこうなってるのかな」
「いやいや、いぬじは僕ら人間の方と似ているよ」
「そっか、ちょっとあんしんした」
そこへ、ヨシエさんがお茶を入れてきました。
「どうだい?直りそうかい?」
「ええ、コードが一本切れてただけみたいなんで、取り換えれば大丈夫ですよ」
「ああよかった。代わりのワンちゃん買ってあげようかって言ったらさ、『ポコちゃんじゃなきゃいやだ!』ってもっと泣かれちゃって。直らなかったらどうしようかと思ってたよ」
「ぽこちゃんっていうの」
「そうだよ、もう2年くらい可愛がってるかねえ」
「ぽこちゃん、またゆいちゃんとあそべてよかったね」
「ほんと、菅井さんがいてくれてよかったよ」
「ゆいちゃん、いぬがすきなの」
「そうなんだよ、でもアパートに住んでるからね、ペットは飼えないんだよ」
「よしえさんのところでかえないの」
「私はもう年だから、今から生き物は無理だよ」
「こんどゆいちゃんいつくるの」
「ポコちゃんが直ったらすぐ来るって言ってたからね、明日にでも来るんじゃないかな」
「わかった」

その後。
結ちゃんがヨシエさんの家に来ている日は、いぬじもよくヨシエさんの家に寄るようになりました。
いぬじはポコちゃんの言葉を結ちゃんに教えてあげています(さすがに想像ですが)。
菅井さんに「今日は暇だからゆっくりしといで」と言われた日は、一緒にご飯も食べていきます。
結ちゃんはこれまで以上にヨシエさんの家に来てくれるようになり、そして実は結構顔の広いヨシエさんは、グラウンドゴルフやボランティアの会で菅井さんのお店をどんどん紹介したので、お年寄りだけのお宅のお得意さんが随分増えました。
菅井さんは「こりゃまだ当分引退できそうにないな」とちょっと嬉しそうでした。
いぬじも電灯の傘のの掃除がとても上手になりました。
めでたしめでたし。




この湿度の中、なんとか散歩だけは行きました。
水中にいる気がしました。
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