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道案内 

道を聞かれることがわりと多いように思います。

学生時代から、一人で歩いていると「すみません」と声をかけられ、「○○へ行くにはこの道でいいでしょうか」「この電車は△△駅に停まりますか」などと聞かれることがちょくちょくありました。今でも、特に犬の散歩中に尋ねられます。やはり『犬を連れている=地元の人』と分かるからでしょう。
しかし、問題は、私自身も初めての場所という時です。
「…すみません、わからないんです」と答える時のあの気まずさ。
きっと、「人に道を聞く」などということは一度で済ませたかったろうに、また誰かに聞かなければならない、そして今度こそ知っている人に聞かなければならないというプレッシャーすら与えてしまった罪悪感。
聞いたあなたの半分くらい私も凹んでます。

道案内といえば、今でもはっきりと覚えている思い出があります。
十数年前の話です。当時アルバイトをしていた店は少し駅から離れていたため、店までの道順を問い合わせる電話が一日に数回ありました。道自体はわりと簡単で、その辺りでは大変有名な通りを突き当たりまでまっすぐ歩けば見えてくるので、説明するのは比較的楽だったのです。
ええ、日本語では。

ある日、バイト仲間が電話を取ると、相手は英語しか話せない外国の方でした。
「あ、ちょっとお待ちください(汗)」と、
私に振ってきました。
ええ、喋れませんとも。片言以下ですよ、私も。
しかしやむなく電話を代わり、どうにか「××道という通りをまっすぐ、10分ほど歩いて来てください、××道は大変有名なので、まわりの人に尋ねてもらえれば皆知っています」ということまでは伝えたのです。
しかし、問題はここからです。
最後に、広い道を渡らなければならないのですが、ここには歩行者信号はなく、歩道橋を渡らなければならないのです。歩道橋の上に立てば右斜め前に店の看板がはっきり見えるのですが、

…歩道橋。
当時の私の辞書には、「footbridge」も 「overpass」もなかった。

ええと、そうか、階段だ、
階段を昇って右を見てくださいって言えば、


階段、
ええと、階段、階段、


焦りすぎた私の頭から、
「stairs」すらすっぽ抜けました。

(ここまで2秒)

「ぷ、Please go up … KAIDAN …
 Do you know "KAIDAN" …?」
「OH! KAIDAN! I understand!」

15分後、

お見えになりました。
笑顔でした。

This is a raccoon dog.


それから、
英語で説明できるよう調べたのは言うまでもありません。
しかしその後は一度も聞かれることはありませんでした。
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コメント

今日も「生きるとは何か」を考えるテーマでしたね。(おい=3)
当時のいい話が、いまのまめよしさんの知識となって素敵なブログをわたしたちに提供してくれているのす。
(うまくまとまった)

たれくりたん様

本当に、過去の恥部の数々がこの歳になってこんなに役に立つとは、
あの頃の私は知る由もありませんでした。
あの頃の私、よかったね。
もっと色々やらかしといても、よかったね。
いや、よくないよくない。

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