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職業(その37) 

しし豆に紐を付けて庭先に出しておいたところ、
数分で家の中に入って、
しばらく後に居間に入って来て、
五豆にちょっかいかけられそうになって、
座卓に飛び乗って(綺麗好きの方すいません、猫飼いってそんなもんです)、
机の端にあった私のマグカップを回るような動きをして、
「危ない危ない!!」
とカップを押さえたものの力及ばず、
そのまま座卓を跳び下りてお茶入りのカップを落としました。
あまり入っていなかったのが不幸中の幸いでした。

というのが今日一番の出来事だった週末ですが、
気を取り直して、土曜恒例「いぬじが〇〇だったら」の日です。
職業図鑑の上から順に毎週違う仕事をいぬじにやらせていくという、いわゆる『もしもシリーズ』です。
今日の職業は、『通販会社のコールセンタースタッフ』です。

これまでは犬という立場を利用した働きぶりが多かったいぬじ。
今回はその利点(?)は一切使えないお仕事ですが、無事勤まるのでしょうか。

それでははじまりはじまりー。


いぬじが通信販売のコールスタッフとして働き始めて間もなく半年。
初めのうちはクレーマーっぽいお客さんにしどろもどろになったこともありましたが、今ではいぬじなりにちゃんと受け答えできるようになってきました。
お客さんはまさか自分が犬と喋っているとは露ほども思わずに。

さて、いぬじが今担当しているのは、以前この会社で買った家電に関する問い合わせの電話です。今回のお相手はどうやら高齢の男性のようです。
では、その通話の内容をしばらく聞いてみましょう。

「おでんわありがとうございます、じゃぽねっとかたか、こーるせんたーのいぬじでございます」
「あーもしもし、あのね、印刷がねえ、できなくなってしまったもんで」
「いんさつとおっしゃいますと、ぷりんたーでございますか」
「そうそう、そのプリンターね、今日急に動かなくなったもんでね」
「それまではせいじょうにいんさつされていましたか」
「昨日暑中見舞いを印刷してたんだけどね、それはちゃんと出来てたんだよ。それが突然うんともすんとも言わなくなってしまって、こりゃどうしたもんかと思ってね」
「それはごめいわくをおかけしました。ではさいしょに、たいへんしつれいですが、でんげんこーどはしっかりささっておりますでしょうか」
「え?ああ、そうか、ちょっと待ってよ、ええと、よっこいせ、このコードか、これは、と、こっちのコンセントだったかな、……
 もしもし、お待たせしました、うん、ちゃんと挿さってたよ」
「それはしつれいいたしました。それではつぎに、ぷりんたーはぱそこんとおつなぎですか」
「そうそう、ノートパソコンってやつと繋いでるよ」
「ではそのぱそこんとぷりんたーはゆうせんでおつなぎですか」
「ん?優先? …んー、まあそうかもなあ、使ってなかった(電源)コードを(コンセントから)抜いて挿したからねえ」
「それではその(LANケーブルの)こーどはしっかりささっておりますでしょうか」
「え?それは今大丈夫だったって言ったでしょう」
「あ、失礼しました。あの、ぷりんたーのほうに(LANケーブルは)ちゃんとささっておりますでしょうか」
「ああ、そういうことか、ちょっと待ってくれよ、ええと、どっこいせ、今度はこっちか、……
 ああもしもし、そっちもちゃんとしっかり(電源コードが)挿さってましたよ」
「ありがとうございました。それではどうようにぱそこんのほうも(LANケーブルが)しっかりささっておりますかごかくにんいただけますか」
「はいはい、今度はパソコンね、…… はい、ちゃんと(電源コードが)挿さってますよ、うちはノートパソコンだけどずっとコードは挿しっぱなしだからね」
「おてすうをおかけいたしました。ではいま、ぱそこんとぷりんたーのでんげんはいれてらっしゃいますでしょうか」
「え?ああ、いや、パソコンは点いてるけど、プリンターは消してるよ」
「それではぷりんたーもすいっちをいれていただけますか」
「はいはい、つけました」
「(プリンターの)がめんひょうじはいつもどおりですか」
「ん?うん、(パソコンの)画面はずっと変わってないよ。ちょっとはいじってみたいけど、やり方が全然わからなくてねえ」
「それではいちどぷりんたーからちょくせついんさつをしていただきますので、いまからおつたえするてじゅんでそうさをおねがいします」
「…ん?パソコン使わないの?」
「はい、いんさつきのうがこしょうしていないかをかくにんするためでございます」
「なるほどね、できるかな、じゃあゆっくりお願いします」
「かしこまりました。ではまず、めにゅーというぼたんを」
「あっ」
「どうなさいましたか」
「ありゃー、あれ、このコード、なんでこんなところにあるんだ? おおい、幸江、お前このコード抜いたか?」
「ああ、それなら今朝掃除の邪魔だから抜いて奥にやったわよ」
「なんだ、それでか、それならそうと言っといてくれよ」
「はいはい、わかりました」
「ええと、これ挿して、とりあえずこの写真を、印刷、と」
ガガッ
「あー動いた動いた、なんだよもう、…ええと、何か大事なことを忘れてるような」
「モシモーシ」
「なんだったかな」
「もしもーし」
「ん?なんか聞こえたか?」
「あなた、さっきから電話してたけど大丈夫なの」
「あっ、そうか、もしもし、もしもし」
「はい、いぬじです」
「ごめんごめん、もう済んだわ、黄色いの抜けてた。それじゃあ」
プッ ツーツー

めでたしめでたし。



「黄色いの」はLANケーブルです。
実際もこういう問い合わせって結構ありそうな気が。
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コメント

コールセンターに電話している関西弁のおっちゃんは、たぶん私のことですね。
関西のおっちゃんという脚色はされていますが、ほぼ私の行動そのものです。
気をつけます。

たれくりたん様

…あ、
関西弁にするとただのガラの悪いおっさんになってしまうかもしれないと思い、一応標準語にしておいたんですが、
…やっぱり画面からイントネーションが伝わってしまいましたか。
おっちゃんが頑張って標準語にしようとしているのが伝わってしまいましたか。

いえいえ、こんな問い合わせはきっと沢山あるのです。
最後さえ、「事故解決しました。お手数をおかけしました」と一言言えば大丈夫です。
あちらも仕事です。

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