職業(その47) 

そろそろ夏休みも終わりですね。
宿題に追われるタイプととっくに終わらせて最後の絵日記を書いているタイプと、皆さんはどちらでしたか。
私はこう見えて後者だったのです。
嫌なことはさっさと終わらせたいタイプです。
今、一番やりたくない夕飯の支度が一日の一番最後になるという毎日にほとほとうんざりしています。

さて、今日は土曜ですので土曜恒例「いぬじが〇〇だったら」の日です。
職業図鑑の上から順に毎週違う仕事をいぬじにやらせていくという、いわゆる『もしもシリーズ』です。
今日の職業は、『パン屋さん』です。

女の子の憧れの職業のひとつでもあるパン屋さん、
いぬじはきっとパンの耳ほしさに始めたのだと思いますが、
さて、働きぶりの方はいかに。

ではいってみましょー。


いぬじがパン屋さんで働くようになってちょうど1年。
住宅街の中の小さなお店ですが、店内のオーブンで焼いた本格的なパンが美味しいと評判のお店です。
いぬじは主に接客と陳列を担当していますが、最近仕込みも手伝い始めるようになりました。
パン職人と犬と言えば、あのめいけんはいぬじのように人間語は話せないもののおじさんや女の子と一緒に乗り物に乗って頭がパンのヒーローを助ける勇敢な犬です。
いぬじの完敗です。

さて、ある日のこと。そろそろ日も落ちるという頃、4歳くらいの男の子を連れたお母さんが来店しました。
男の子はパンに興味津々で触りたくてしょうがないようです。お母さんは「触っちゃダメ!」と何度か注意しましたが、はたから見ていてもまだうずうずしているのがわかります。お母さんは、「やっぱりおばあちゃん家に預けて来ればよかった…」と困った顔で呟きました。
それに気づいたいぬじは、男の子に話しかけました。
「いらっしゃいませ」
「わあ、犬だ、ママ、犬がいるよ」
「これ翔太、そういう言い方しないの、ごめんなさい、いぬじ君」
お母さんは何度かこの店に来たことがありました。今までは翔太君が保育園にいる間に来ていたのですが、そろそろ年齢的にも大丈夫かと思って連れてきたようです。
「やっぱりまだこの子には早かったみたい。いぬじ君もよかったら翔太がパンを触らないように目を光らせててくれるかな」
「はいわかりました」
「いぬじ、目がひかるの?」
「これ、翔太、そういう意味じゃないの」
「はいひかります」
「わーー!すごーい!!光って光ってーーー!!」
「いまはひからないです」
「えーなんでー? ウソついたのーー??」
「うそじゃないです」
「ごめんなさいいぬじ君、翔太、いい加減にしなさい」
「しょうたくん、こっちきてください」
「「えっ」」
「ままさんはそのあいだにぱんをかっててください」
「あ、え、あ、はい」
「しおたさん、すこしだけじかんもらっていいですか」
レジで話を聞いていたチーフの塩田さんは「いいよ、今すいてるから」と了解しました。
「すいません、じゃあお言葉に甘えて」
お母さんはお礼を言ってパンを選び始めました。
「こっちにきてください」
いぬじはレジの横から何かを手にして店の外に翔太君を連れ出すと、裏手の日の当たらない場所で止まり、翔太君に「これもってください」と渡しました。
「あーこれしってるー、かいちゅうでんとうっていうんだよね」
「はい」
いぬじはそういうと翔太君から少し離れて「ぼくをてらしてください」と言いました。
翔太君がいぬじの顔に懐中電灯の明かりを当てると、
「うっわーーー光った光ったーーーー!!」
いぬじの目が暗がりに浮かびあがり、翔太君は大喜びです。懐中電灯を何度も点けたり消したりして何度も反射させました。
「そろそろまぶしいのでおわりです」
「あっ、ごめん」
「だいじょうぶです」
「ままのところにもどります」
「うん、わかった、ありがとういぬじ」
「はいるまえにもうひとついいですか」
「うん、何?」
いぬじはパッと翔太君を懐中電灯で照らしました。
「わっ、びっくりした、まぶしいからやめてよ」
「はい、ちょっといやがらせしました」
「ええ?? さっきの仕返し??」
「いいえ、そうじゃないです、ごめんなさい」
「まあいいけどさ」
「ぱんくんはつっつかれるのはやめてほしいなあとおもうのです」
「え?」
「ぱんくんやぱんさんはさわられるといやだなあとおもうしままさんもおきゃくさんもしおたさんもぼくもこまっちゃうのです」
「…そうなの」
「だからさわりたくてもがまんしてほしいのです」
「わかった、もう絶対さわらない」
「ありがとうです」
そうして二人はお店に戻りました。お母さんはちょうど会計が終わった所でした。
「いぬじ君、本当にありがとう。もうこの子連れてこないから」
「だいじょうぶです、またいっしょにきてください」

それから、翔太君とママはすっかり常連になり、週に2回は来てくれるようになりました。
めでたしめでたし。



パンの話から離れ始めて軌道修正が少々強引になりました。
パンは大好きです。
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コメント

エプロン姿でパンを並べるいぬじくんを想像してにまにましているおばちゃんです。そのパン屋さん毎日通っちゃうよ。

相手が小さい子でも、誠意を持った対話路線のいぬじくん素敵です。
どこかの国の将軍さまに見せてあげたいわ。
…なんて言ったら、ミサイルでぶっ飛ばされるかな。

たれくりたん様

ひょっとすると今までの職業の中で一番しっくりくる仕事着姿かもしれません。
ちなみにエプロンにはリンゴのアップリケがついてます。
そして厄介なクレーマーには人間語がわからないフリで通しています。
という設定です。

大丈夫です。
日本全国で言われてますのでぶっ飛ばしきれないのです。

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